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壮大な数学の歴史を楽しむ サイモン・シン「フェルマーの最終定理」

ちょっと前にこんなエントリを投下したっきりになっていたので久々に数学ネタを

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今回は数学のオススメ本を紹介します。


フェルマーの最終定理 (新潮文庫)




数学のオススメ本といったらやはりこれ、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』は外せないでしょう。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
サイモン シン
新潮社
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(amazon.co.jp 内容紹介より)
17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!

これを書いている2013/12/25現在、amazon.co.jp「数学・テクノロジー」カテゴリのベストセラー10位にランクインしており、なんと2515日間100位以内に入り続けているというベストセラー。



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17世紀の大数学者ピエール・ド・フェルマーが残したこの予想。n=2については中学数学で習うあの三平方の定理だ。フェルマーはこの命題に対して「私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」などと書いただけで終わらせてしまう。

こちらがフェルマーさん(Wikipediaより)
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ただのオッサンが書き残したのなら「チラシの裏にでも書いとけや!」で終わるんだが、このフェルマーって人はマジですごい人だし、そんなすごい人が「真に驚くべき」とか言っちゃうくらいだから相当すごいんだろう。。。と、後の数学者がこぞって証明を試みようとするもなかなか簡単にはいかない。

紆余曲折の末、実に360年の年月を経て、イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズがこの証明に成功したのが1995年。このフェルマーの最終定理を取り巻く360年間の変遷を描いたのが本作品だ。



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世紀の証明に成功したワイルズだがその証明劇はドラマチックだ。1993年に一度目の証明を発表するも後の審査で致命的な欠陥が浮上して失敗に終わる。その欠陥を埋めるためにさらに研究を重ねるも解決の糸口が一向に見つからず半ば諦めムードに。そんな中、一度は適用を見送った岩澤理論を見直していたところ、これまでの方法(コリヴァギン=フラッハ法)に岩澤理論を組み合わせることでこの難局をクリアできることに気づいたという。

こうして岩澤理論という最後の1ピースがカチリとはまり、壮大な証明劇は幕を閉じる。ワイルズの証明にはこの岩澤理論だけでなく谷山=志村予想も深く関っていて、世紀の証明に日本人数学者の研究成果が深く関連していることも実に興味深かった。

数学の難しい話とかも出てくるんだけど、分からないところは読み流しても十分楽しめる数学本だ。ていうか俺も好きだけどそんなハイレベルな数学は全くもって理解してないので分からんところはバシバシ飛ばしながら読んだ。それでも十分楽しめたし、数学SUGEEEEってなったしね。




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