先日新聞で読んだ円周率に関する記事。
計算桁数記録は現在12.1兆桁。日本人の近藤茂さんと米国人のアレクサンダー・J・イーさんのタッグで生み出された成果らしい。
12.1兆桁という途方もない桁数にも驚いたが、それよりも気になったのは前人未踏の12.1兆桁って誰がどうやって正しいことを証明するんだろうってこと (´・ω・`)
円周率計算の歴史
円周率計算の歴史は人類の歴史と言ってもいいです。あ、それは言い過ぎかw
でも、古くは古代バビロニア、実に紀元前2000年くらいから円周率が使われていたと。
その当時は3と1/7(≒3.142857)という近似値が使われていたらしいです。ゆとり教育の”およそ3”より近いwww
そしてその後、1900年代半ばの計算機(コンピュータ)の登場まで、人類は手計算で円周率に挑むことになります。
記録によると1600年代に72桁まで計算されています。1700年代に137桁、1800年代に527桁まで伸びています。そして1945年に出されたD.F.ファーガソンによる540桁が手計算による最長記録となっています。
ここから先は計算機(コンピュータ)の進歩と共に桁数も飛躍的に伸びることになります。
万の時代(1950年~1985年)
1950年代 1万桁
1961年 10万桁
1967年 50万桁
1973年 100万桁
1982年 419万桁
1983年 1677万桁
1985年 1752万桁
億の時代(1989年~1999年)
1989年 10.7億桁
1997年 515億桁
1999年 2061億桁
現在の最長桁数記録 12.1兆桁
上で書いた通り、現在の最長桁数記録は12.1兆桁という途方もない記録。
この記録保持者はなんと日本人と米国人のタッグ。日本の会社員近藤茂さんが組んだ特製自作マシンに米国の大学院生アレクサンダー・J・イーさんが開発した計算プログラムを載せて計算したのだとか。
ちなみに2010年の5兆桁、2011年の10兆桁も彼らによる成果です。
彼らの計算は1994年に発見された「チュドノフスキーの公式」を使ったもの。そしてこの公式のベースとなってるのが、あのチート級天才数学者のラマヌジャンによる公式なんだとか。
こちらがその公式!
▼1914年に発表されたラマヌジャンの公式
なるほどわからんwww 彼はこの公式の証明を残さずに32歳という若さで早逝してしまいました。この公式をどうやって導き出したのかも不明らしいんですが、どうやら彼はこういった公式が突然閃いちゃうタイプなんだとか。どんなタイプだよwww
9801とか1103とか26390とか、、、意味不明な数字が突然出てきてるけど、突然こんな数字閃いちゃったのか? すごすぎだろ。
まぁ、1729と聞いてすぐに「2つの正の立方数の和として2通りの形で表すことのできる最小の数」だと言い当てちやうくらいの人だからね。*1 もしかすると9801とかも彼にとっては何か意味のある数値なのかもしれん。
▼インドが生んだチート級数学者ラマヌジャン
計算結果の証明ってどうなってんの?
12.1兆桁とかすごいんだけど、これって誰がどうやって正しいことを確認するの?
前人未踏だからこその記録なワケで、この計算結果が正しいことを確認できるなら、その確認した人が記録を塗り替えちやうワケでしょ。そしたらその新記録の確認をする人がまた塗り替えて、さらにその確認をする人が、、、 うわああああああ・・・ってなるwww
多分この疑問を解消してくれるエピソードが手計算時代にあったみたいです。
1850年頃から1873年にかけてウィリアム・シャンクスという人が段階的に707桁まで計算したんですね。
あれ? さっき上では「1800年代に527桁」って書いたよね?
実はシャンクスさんは707桁まで計算したんですが、計算結果は527桁までしか合ってなかったんです。なので公式記録は527桁ってことになってます。その計算ミスを確認したのが、先ほど最後の手計算記録として登場したD.F.ファーガソンなんです。彼が1945年に540桁まで計算したことで約70年前のシャンクスの計算ミスが判明したんです。そしてこの約70年の間はシャンクスの計算ミスした707桁の数値が信用されていたようです。
つまり、最長記録の計算結果が正しいかどうかってのは、記録が塗り替えられるときに初めて分かるってことなのかと。
なので、現在最長の12.1兆桁の結果も現時点では正しいのかどうかは分からないってことなんですかね。なんか微妙だけど、、、まぁ、そういうものなんでしょう。
*1:ハーディ・ラマヌジャン数の逸話より