ナショナルジオグラフィックからヒト属の新種発見のニュースが流れてます。
今回発見されたホモ・ナレディは、最古人類アウストラロピテクス属からヒト属への移行期と考えられてるんですが、部分的にはアウストラロピテクス属よりもさらに類人猿に近い特徴を持つんだとか。
いやぁ、これは久々にワクワクするニュース。
ヒト属新種のホモ・ナレディの特徴
今回発見されたホモ・ナレディの化石は、南アフリカ・ヨハネスブルク郊外のライジング・スター洞窟で見つかりました。この辺りは、20世紀に多数の人類の化石が出土されたことから「人類のゆりかご」(Cradle of Humankind)と呼ばれた一帯。すでにあらかたを堀つくしちゃったんじゃないかと思ってましたが、まだまだお宝は埋まってそうです。
そのライジング・スター洞窟の奥深くで今回かなりの数の骨が見つかり、丁寧に骨格解析をしたところ、これまで見つかっていたヒト属とは違う種らしい。
しかも驚くべきことに、下半身はヒト属に近いが、上半身は人類最古と言われているアウストラロピテクス属よりもさらに原始的とのこと。特にヒト属の証といってもいい大きな脳という特徴がなく、その観点だけで論じればこれはヒト属ではなくなってしまうらしい。
ミッシングリンクがつながった?
人類の進化といえばこの図ですよね。
この図だと少し分かりにくいけど、要するにサルからヒトへの進化で、四足歩行から徐々に体が起き上がり、曲がった腰がまっすぐに伸び、最終的には直立二足歩行になる、という一連の流れです。
この進化の流れを考えた時に出てくるキーワードとして、ミッシングリンク(失われた環)という言葉があります。すでに見つかっている2つの種の中間に存在することが予想される未発見の種を指す言葉なんですが、今回のホモナレディがまさにそれではないかと思われます。すなわちアウストラロピテクス属とヒト属の間に位置するミッシリングリンクではないかと。
しかしこのホモ・ナレディは、全体骨格はヒト属にかなり近いんだけど、部分的にはアウストラロピテクス属にも近い、そして一部はアウストラロピテクス属よりもさらに原始的だということで、ミッシングリンクがつながった、と単純に言える状況ではなさそうです。
まぁ、まだ骨が見つかったばかりで、詳しいことはこれからってのが本当のところ。廃止されてしまったピテカントロプス属のように、調査の過程でもしかしたら今までのヒト属のどれかと同種と認定されちゃうかもしれないし、逆にヒト属からも外されて新しい属になる可能性だって秘めています。
ピテカントロプスはたまの『さよなら人類』で歌われてかなり有名だったのに廃止されてますからねw
ホモ・ナレディの謎
ミッシングリンクという見方でも特異な例になりそうなホモ・ナレディですが、見つかった場所もかなりミステリー。
ナショジオの記事は以下で終わっています。
小顔のヒト属新種ホモ・ナレディを発見、南ア | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
ところで、このような洞窟の奥の入りにくい場所に、なぜ人類の遺体があったのだろう。
そこが住居だったとは考えられない。石器や食べ物の化石などが一切ないからだ。骨はおそらく数百年かけて積み上げられているため、集団で洞窟に迷い込んだとする仮説も成り立たない。肉食動物が運び込んだのだとしたら、歯の痕がついた骨があるはずだが、それもない。バーガー氏らは、非常に突飛な仮説を立てている。
ここで終わりって、、、(´・ω・`) 仮説ってなんだよwww
ご丁寧にも、以下の注釈がついてました。 買えってことですねw
※ この発見についての詳細は、9月30日発売の『ナショナル ジオグラフィック日本版』2015年10月号で図解や写真を含めて詳しく紹介します。
ナショジオはたまに買ってますが、10月号は買いですね。7月号の冥王星特集以来読んでなかったので次回はじっくり読みたい。
でも仮説ってなんだろう。数百年に渡って積み上げられてたってことは墓場かな?
日経ナショナルジオグラフィック社 (2015-09-30)