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ナショジオ誌ホモ・ナレディの記事を読んで、人類の進化に思いを馳せた

1ヶ月ほど前ですが、ナショジオのウェブ記事を読んでこんなエントリを書きました。

hi-zakky.hatenablog.com


ナショジオ誌の記事本編を読んだので、例の「仮説」の話や感想などを書きたいと思います。




なぜ洞窟の奥深くから骨が大量にでてきたのか

ナショジオのウェブ記事はこんな感じで終わってたんですよね。なるほど、気になる人は雑誌買えよーってことですねw

小顔のヒト属新種ホモ・ナレディを発見、南ア | ナショナルジオグラフィック日本版サイト


 ところで、このような洞窟の奥の入りにくい場所に、なぜ人類の遺体があったのだろう。
 そこが住居だったとは考えられない。石器や食べ物の化石などが一切ないからだ。骨はおそらく数百年かけて積み上げられているため、集団で洞窟に迷い込んだとする仮説も成り立たない。肉食動物が運び込んだのだとしたら、歯の痕がついた骨があるはずだが、それもない。バーガー氏らは、非常に突飛な仮説を立てている。


※ この発見についての詳細は、9月30日発売の『ナショナル ジオグラフィック日本版』2015年10月号で図解や写真を含めて詳しく紹介します。


まあ、過去エントリにも書いたけど、これって墓場じゃねーの? と思った。というかそれ以外に思いつかなかった。

結論から言うと墓場という予想は当たってました。ただし、これは無知な人ほど当たる予想でしたw



骨だけが大量に出土して、周囲からは生活に関するものが何も出てこなければ、普通に考えれば墓場って答えしか出てこないんですよね。特に素人は。

でも学者たちはその可能性を「突飛な仮説」と捉えてたんです。

なぜなら、死者を弔う習慣があったのは、我々ホモ・サピエンスかネアンデルタール人などの旧人類の仲間というのが一般的な解釈だったからなんです。



今回発見されたホモ・ナレディは、脳の大きさが非常に小さく、平均的なホモ属の半分程度で、我々現代人と比べたら半分にも満たない容量。脳の大きさから考えると彼らにそれほどの知能があったとは思えないが、死者に別れを告げ、経緯を表するというのは、自然界において自分たち存在をしっかりと認識していた、ということで、これは非常に驚くべきことなんだとか。


ホモ・ナレディの発掘調査について

ホモ・ナレディの化石を最初に発見したのは、アマチュア洞窟冒険家ステーブン・タッカーとリック・ハンターの二人でした。彼らは痩せていたため南アフリカのライジング・スター洞窟の奥深くまでたどり着くことができたとのこと。

そして彼らのような洞窟探検家に声をかけていたのが、アメリカの古人類学者のリー・バーガー氏。「人類のゆりかご」という呼び名が南アフリカから東アフリカへと移ってしまった後も、南アフリカに注目してきた学者さんだ。

当時、別の発掘を指揮していたバーガー氏だが、ライジングスター洞窟の化石の写真を見た瞬間、すぐさまライジングスター洞窟の発掘へと頭を切り替えたという。

しかもバーガー氏がすごいのは、こういった世界では正式に論文を発表するまでは非公開でことを進めるのが普通なのに、彼はすべてをオープンにしたこと。著名な学者だけでなく、若手の学者も多数集めての発掘団を組みました。自分の栄誉よりも学問の進展の方が大事ということなんだろう。



ただ、そんなバーガー氏はちょっと根拠や証拠が足りない仮説ばかりを提唱し続けてきたせいか、古人類学者仲間からは少しつまはじき者にされてきたみたいです。学会などの集まりでもアイツ来るならオレ行かねー、みたいな言われようだったとか。それでも今回のホモ・ナレディの発掘調査に関しては惜しみない拍手を贈られたと書いてありました。

やはりホモ・ナレディはそれくらいの大発見ってことなんだろう。


ホモ・ナレディの発見でミッシングリンクはつながるのか?

現時点では、ホモ・ナレディがどういう状況でどんな形で発見されたのか、という話だけで、ホモ・ナレディがいつ頃のどんな種なのか、ということは一切分かっていません。詳細な調査はこれからということです。

ホモ・ナレディはその特徴からは、猿人からホモ属への進化過程と見ることができ、だとすると250万~200万年前の種と予想されます。

ただし、身体のつくりは驚くほど現代人に近く、100万年前くらいの種である可能性も否定できない。その場合は、我々ホモ・サピエンスの祖先である旧人類がいた頃に、脳が小さな別の種がいたことになります。これまでの定説を覆す新証拠となりうるものです。



そしてもう一つの可能性。彼らの脳の小ささに着目すると実は300万年以上前の種である可能性もあるんです。もしそうだとすると人類の進化の定説が大きく変わることになります。

300万年以上前にいたアウストラロピテクス・アファレンシス。ルーシーという女性でも知られているこの種が我々の直系祖先と考えられています。そして200万年~300万年前のどこかでアウストラロピテクス属からホモ属に分かれて進化したのが我々だと言われています。

でも、アウストラロピテクス・アファレンシスとホモ・ナレディが同時期に存在した場合は、アウストラロピテクス・アファレンシスは直系祖先ではなく、もっと前で進化の過程で分かれてしまった種となります。


結果が出るのはまだまだ先のようです。どんな結果が出ても、我々の今の生活には全く影響はないんですが、こういうのってすごく気になりますね。結局、ここで新たなことが分かってもミッシングリンクは残るわけですが、一歩一歩過去の謎に迫るのはロマンを感じます。




ちなみにAmazonで「ホモ・ナレディ」で検索すると、もしかして: “ホモ・レディ”って出てきて、この本を紹介されましたw

男に生まれて、女になって、結婚もできました。
吉井 奈々
日本文芸社
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魚類などで見られる性転換を成し遂げた人類。これも一種の進化なのでしょうか。(´・ω・`)