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【ネタバレ注意】アウトレイジ最終章の感想 大友の人生の物語

昨日の夜、北野武監督作品『アウトレイジ 最終章』を観てきたので簡単に感想などを書いておきます。

ラストについても触れてるのでネタバレ注意です。

【映画パンフレット】 アウトレイジ 最終章 監督 北野武 キャスト ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、塩見三省、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、池内博之、岸部一徳


あらすじ(ぴあ映画性活より)

関東の山王会と関西の花菱会の巨大抗争後、元大友組組長の大友は韓国へ渡り、日韓の裏社会を仕切る張会長の下にいた。ところが花菱会の若手幹部の花田が、大友が仕切る韓国のシマで大問題を起こす。これに怒りが収まらない大友と手下は韓国から日本へ向かう。
アウトレイジ 最終章|映画情報のぴあ映画生活


これを見るためにぽすれんで前2作のDVDを借りて、三部作をほぼ連続視聴した感じです。

前2作の感想はこちら
zakky-rep.hatenadiary.jp



というわけで3作連続視聴した感想になるのですが、最終章は暴力団組織の抗争劇ではなく、大友という昔気質のヤクザの人生のけじめの物語という感じでした。

前作で自分をいいように利用してきたマル暴片岡を殺害した大友。

今作冒頭では、韓国大物フィクサー張大成会長に匿われて韓国の済州島にいた。この済州島でのシーンから始まるのですが、アウトレイジっぽくないとても爽やかでリゾートな映像でしたね。

大友はこの済州島では責任者として張会長のシマを仕切っていたのだが、ここで花菱の花田(ピエール瀧)がちょっとした騒動を起こし、その結果大友の部下が一人殺されてしまう。

この花田がなかなかいいキャラしていて、最初は花菱の名前をちらつかせて威張ってたけど相手が張会長グループだったと知った途端ヘコヘコし始めるw あとドMwww



まあ、そんなわけで最初は花菱会と張会長グループの抗争になるのだと思ってました。

が、張会長は花菱会なんて最初から眼中にないというか相手にしない。めっちゃ大物でした。

この張会長を演じた金田時男さんって俳優さんじゃないんですね。北野監督の個人的な知人なんだとか。でもビヨンドでも思ったけどすっごい貫禄あるぞ。シリーズ1の強面といっても過言じゃない。俳優じゃないからセリフも少なめに調整して、その結果大物っぽさに拍車がかかってるのか。なるほど。



花菱会と張会長グループの抗争ではなく、花菱会の内部抗争とそれに乗っかった大友の暗躍。これが今作の根幹でした。

ちなみに花菱会の方はビヨンドで会長だった布施会長が亡くなり(演じていた神山繁さんは今年1月に亡くなられてます)、その娘婿で元証券マンの野村(大杉漣)が跡を継いでました。若頭西野(西田敏行)を筆頭に生え抜きヤクザはこの新体制に反発しており、特に何かと反発する西野若頭と野村会長の仲は最悪で巨大暴力団組織花菱会は分裂必至の状態でした。

野村と西野は互いの失脚を虎視眈々と狙っており、そんなところに舞い込んだのが花田が起こした張会長グループとの騒動。この騒動を利用して西野殺害を企てた野村だったけど、西野の方が一枚上手で逆に野村が窮地になっていく。

それにしても大杉漣も西田敏行も演技に迫力があるね。どっちもドスを利かせるとめっちゃ怖いんだわ。まあ西田敏行はビヨンドに比べると西田節が結構出てた感じもしたかな。「迷惑もハローワークもあるかい!」は笑ったw 一方の大杉漣も元証券マン素人ヤクザという難しい役柄をうまく演じていた。最後は大友にキャンプという名の処刑をされてたけどw



そうそう、アウトレイジ流の殺し方は今作でも健在でした。大杉漣のキャンプ処刑(細い山道に顔だけ出して埋めて、車が通過するのを待つw)とドM花田のボールギャグ花火処刑。花田の死に方はほんと笑える。ドMプレーが好きで、拘束されてボールギャグ嵌めてるところに大友が乱入するんだけど、完全拘束中なので抵抗できない。で、爆弾入りのボールギャグに付け替えられて、長い導火線に着火。うわあ、、、ドMの本懐、、、(´・ω・`)




野村会長と花田を殺して花菱会の騒動に決着をつけた大友だが、まだしなきゃいけないことが残っていると言って市川(大森南朋)だけを済州島に帰国させる。この辺からかな、なんか悲哀を感じるBGMがずっと流れていたような気がした。

もうね、途中でちょこっと出てきてたからねぇ。ビヨンドで殺された木村の仇が。もう大友絶対あいつ殺しに行くだろと。恩義ある張会長の命令を聞かずに自分の人生の落とし前をつけまくった大友が最後にやることといったら、うん、そうだよね。それにしてもシリーズ通してビートたけしの演技は個人的にはイマイチだったんだけど、このラストシーンの演技はすごかった。間が絶妙というか、、、白竜演じる李がけじめをつけさせるために拳銃を向けるんだけど、それを静かに断って張会長への言伝を言い終わるや否やのズドン、という一連の流れが本当に絶妙だった。

なんか大友らしいけじめのつけ方でもちろん悲しいんだけど爽快でもあるラストシーン。最終章に相応しい、もう最後はこれしかない、という感じの締め方でした。



そして最後に笑ったのは、、、花菱会の会長となった西野でした。でも西野ってアウトレイジに出てくるヤクザの中ではあまり腹黒でもなく任侠魂がしっかりしてるし、個人的には嫌いじゃないと思った。



あ、でもシリーズ通して一番心が綺麗なのは、マル暴繁田(松重豊)じゃないかな。ビヨンドでは汚いことをしまくってる片平に「俺は一生ヒラでいいですよ」って言い放った繁田だったけど、今回は上からの納得できない命令に対して辞表出しちゃった。一生ヒラどころか辞めちゃったからね。(・_・;)